朝、バイトに行く道すがら

せんぱいとすれ違った。

自転車こぎながら、ラップに包んだお握りを

食べていて。

こっちに気づいて、ちょっとわわっ、となって

信号無視しかけていた。

それを見たら、何だかほのぼのしてしまって

満面の笑みで手を振っておいた。




憶えてる?

先日、電話で

聞きたい事があるって、私

言ったよね。





私の方は、もう

あなたを忘れたいんだけど。

できる事なら

何でもない、ただの、もと同僚に

戻りたい。

でも

そう出来なくさせたのは

間違いなく自分の、せい。

せんぱいはこれから

私とどうなりたいか、なんて

考えたことも無いだろうから。




自分の、足りない、欠けた部分を

誰かに埋めてもらおうなんて

考えるのは絶対いやだ。

私は一匹狼で

誇り高く、生きるんだ。

そんなんがずっと、憧れだった。




それなのに、な。

今の私

せんぱいじゃ、なくって

ずっと話を聞いてくれて

心に共鳴してくれた人、のこと

好きになりかけている。

なんて弱いんだ、ちょろ過ぎ。ばかみたい。





バイトは終わったけど

自宅に帰ると悶々としちゃうから

いつものコーヒー屋さんに寄って

もうすっかり緑になった

桜の木を眺めて、いる。




まっすぐに、なりたいな。